甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
豚汁をすすりながら、松田が、

「本当に美味いよな〜
俺、この会社に入って良かったって思う理由の一つが豚汁だよ〜」

がははは…と豪快に笑うから、周りの社員たちも「そうだな」などと言いながら笑う。

「ここ、いい?」

私の向かい側、松田の隣の席。

「あ、宮澤課長…どうぞどうぞ」

…えっ?

「お、お疲れ様です。宮澤課長」

(うわー、よりによって真正面…食べづらい。さっさと食べてしまおう)

猫舌だけど、必死に豚汁をもぐもぐ食べる。

(大根…美味しい!)

思わず笑顔になる。

松田の話を聞き流しながら、私は豚汁を夢中で食べた。





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