甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
昼になり、三奈と社員食堂へ行く。

社員食堂でも、宮澤さんと着物美人の噂で持ちきりだった。

(失敗した…外へ行けば良かった)

ふわりと、シトラスの香り。

「松田くん」

「"大樹"でしょ?都たちもこれから昼?混んでるし、外へ行こうよ」

「そうだね。それがいい…行こう」

三奈が同意し、会社近くの和定食を食べている。

和定食の焼き魚をほぐしながら、

「"都"と"大樹"ねえ〜
あんたたち、いつの間にそういうことになってるの?」

「ちが…『俺の片想い』」

"違う。付き合ってない"と言おうとした言葉は、大樹によって遮られる。

「まだ、俺の片想いだけど、近いうちに都から俺の所に来るようになる…な〜んてね?」

「きゃあ〜 何それ〜
昼間っから、月9ドラマみたいじゃん」

興奮する三奈。

魚の骨が喉につっかえそう…。

食べづらいな〜


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