恋の魔法と甘い罠~おまけSS




「ただいま」


「おかえりなさい」



鍵の開く音がして小走りで玄関に向かうと、予想通り晴希さんが帰ってきていたんだけれど、その声に元気がないように感じる。



「どうしたんですか?」


「ん? ……ああ、何でもないよ」



そう言って、そのままあたしの横を通りすぎていった。


あれ?


いつもならただいまのキスをしてくれるのに。


どうして?


ちょっぴり寂しくなったけれど、もしかしたら仕事で何かあったのかもしれないな、と思い直す。



晴希さんはあたしと一緒にいるときは仕事の話は一切しない。


だから訊いても何も答えてくれないんだろうなぁ。


全て話してほしいわけではないけれど、知らない何かがあると思うと、少し寂しい。
< 50 / 379 >

この作品をシェア

pagetop