運命の出会いって信じますか?

「来月最初の水曜日の夜に、東京本社で用件が終わり次第、華のアパートに行く。木、金と名古屋支社に出社して、日曜日にタイに戻る。土曜日は二人で過ごそう。」

「本当に?」

私は嬉しくて、つい声を上げた。

自分で自分の声にびっくりする。

「ああ、やっと生身の華に会える。」

しみじみと英輔は言った。

「何か食べたいものはある?」

私が思いついたのは、食事の事。

「とにかく味噌汁が食べたいな。」

英輔もご機嫌そうに電話の向こうで笑う。

「分かった。2年前よりは少しは料理の腕は上がったと思うよ。」

「へぇ~、それはますます楽しみだ。」

楽しそうに声をあげて笑う英輔。
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