運命の出会いって信じますか?
「華。」
英輔の低い声が響く。
「もう離さないからな。この先の人生、ずっと一緒に居よう。」
「えっ、えい、英輔…。」
私がどもってしまったのは、涙が後から後から溢れてきたから。
「英輔の顔が見たい。触れたいよ!」
私は知らず知らずに鳴き声で叫んでいた。
「華がそんな声を出してくれるなんて、凄く嬉しい。」
「うっ…、英輔~。」
もう名前を呼ぶだけで精一杯。
こんな私は自分でも初めて。
一体私の中のどこにこんな私が居たんだろう。
「華、電話が切れなくなってしまうよ。」
少し困ったような、英輔の優しい声。