運命の出会いって信じますか?

「もちろん柏木さんも。」

私はふうっと息を吐く。

「私も参加したいくらいだわ。でもそんな時間に子供達を置いていけないし…。」

真美が真面目に悩んでいるように見えて、私は笑ってしまった。

「今日は私がしっかり話を聞いてくるから。またややこしい事になっていたら、相談に乗ってね。」

「もちろんよ。良い話であることを祈るわ。」

真美はそう言ってパソコンに向かい直した。

「もういいですか?野々村さん。」

私と真美が話している所に入りにくかったようで、恐る恐る増本君が近寄って来た。

「ごめんね。時間は大丈夫?」

営業さんは取引相手との時間に出掛けてしまうから、いつもはなるべくコンビを組んでいる増本君の都合を優先させているつもりだけれど…。

「いいえ、今日は昼から出ますから大丈夫ですよ。ただ新規の契約で作り直してほしい伝票が有りますので。」
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