運命の出会いって信じますか?
「華、この部分は数字が合っているのか?」
次は私に回って来た。
私は私なりの答えを英輔に提示した。
クスッと笑う英輔。
「よし、二人とも合格だ。それに他の点での指摘はない。」
増本君と私はふう~っと同時に息を吐いた。
「済まないな。これが名古屋支社に戻って来た時の俺の仕事になるんだ。嫌な立場だな。」
そうして英輔はぐるっとフロアを見渡した。
「これは小手調べだ。俺は容赦せずに全契約のチェックにかかわる事になるからよろしく。」
周りがざわざわとした。
そんな事を気にもせずに、英輔は黙々と仕事を始めた。
英輔の仕事ぶりはタイに行って、パワーアップしてしまったようだ。
これは細野課長じゃないけど、大変だな…。