運命の出会いって信じますか?
多くの目がある所の方が安心だ。
そう私は思ったから。
彼はゆっくりうなずくと、少しうわずった声でこう言った。
「逃げなかったんだ。」
ちょっとホッとした様な彼の表情を見た時、私も身体に入っていた力が抜けた。
「とにかくあなたの話を聞かなきゃ始まらないわよね。」
少し諦めたような笑顔を私が向けると、彼は少しいつもの様子を取り戻したようだ。
「俺…、あなたじゃなくて相田生都(なりと)っていう名前なんだ。前にも言ったと思うけど。」
「ふーん、そうだっけ?」
私も聞いたような気はするけど、全く覚えていない。
「やっぱりな。俺の事に興味もなさそうだもんな。」
ふてくされながら、私の後をついてくる彼。
二人で少し歩いてから、カフェに入る。