運命の出会いって信じますか?
3
その日英輔が帰宅してから、お姉ちゃんの話をしてみた。

「俺、その週の金、土曜はタイに出張だ。」

私は顔をしかめる。

「英輔は無理かぁ。」

そんな私の声に英輔が反応する。

「その言い方は俺を置いて名古屋に行く気だな。」

目をくるっと回して英輔が言った。

「うん、今回は真先と二人で帰っても良いかな?」

私は英輔を伺う。

「おう、俺もタイから直接名古屋に行けるようにしてもらおうかな。土曜日は本来休みなんだからそれぐらい融通を利かせてくれるだろう。」

「うわ~、久しぶりだね。」

私は思わず声をあげた。

真先を産んでから、名古屋には1度しか戻っていない。

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