運命の出会いって信じますか?
木下さんもそれについては不思議がっていた。

私は朝の英輔との様子を話した。

「そうか、真先くんもパパと離れるのが寂しかったのね。」

木下さんは真先が泣いた原因を見つけて、ホッとしたようだ。

そして仕事を終え、私は会社から真先と帰って来た。

私はこれから真先と名古屋に向かう。

そう、私のお父さんの還暦のお祝いの里帰りだ。

名古屋の駅までお兄さんが迎えに来てくれるらしい。

たくさんの新幹線を前に、ちょっと興奮気味の真先と新幹線に乗って、私はホッとする。

新幹線が動き出すと、私も真先もいつの間にか眠ってしまった。

二人には新しい生活が始まった一週間だったから、ここで疲れがいっぺんに出てしまったんだろう。

「あれ…?」

抱いていた真先を思わず落としそうになり、私は目を覚ます。

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