運命の出会いって信じますか?
9
「えっ?どういう事?」

そろそろお兄さんが空港に着くという頃、うちに電話がかかって来た。

「うん、分かった。連絡を待っているから。」

お母さんが電話を切って、私の所へやって来た。

私の顔を見ると、ハッとしたような表情。

「華、今正仁さんから電話があってね…。」

お母さんは焦点が合わないような、おかしな様子。

「空港が大騒ぎらしいの。どうも飛行機が着陸を失敗したみたいで…。」

「えっ?じゃあ、空港をなかなか出られないの?」

私の言葉にお母さんは首を横に振る。

「…もしかしたら…、英輔さんが乗っている飛行機かもしれないって…。」

私はとっさにお母さんが何を言いたいのか分からなかった。

「今、必死に正仁さんが確認しているみたいなんだけど、何しろ空港は凄い騒ぎみたいで…。」

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