運命の出会いって信じますか?
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英輔が私に仕事の復帰を急いでいたのは、こうなる事を感じ取っていたのかな…。

私は仕事をしながら考えていた。

会社に自分の居場所がある事で、私には子供を二人育てられるだけの経済的余裕がある。

でも…。

シングルマザーとして本当に私は二人の子を育てられるのだろうか。

もし妊娠していた場合、私はどうしたらいいんだろう。

そんな考えが頭の中をぐるぐる駆け回っていた。

もちろん転勤を申し出て、名古屋に戻るという選択もある。

でもそれは私の中では考えられない選択肢だった。

名古屋にはやっぱりあれ以来帰る事が出来ない。

お母さんやお姉ちゃんと電話でよく話はするけれど、私は決して名古屋に帰るとは言わなかった。

珍しくお兄さんから電話がかかって来たこともあった。

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