運命の出会いって信じますか?
真先がお腹に居た時との自分の境遇の違いに呆然とする。

英輔が居なくなった今、私はどうしたらいいんだろう。

素直に喜べないかもしれない結果に私はいろいろと思い悩む。

「日下さん。」

受付の人に呼ばれて、私はハッとする。

「もう一度中にお願いしますね。」

そう言われて、慌てて立ち上がる。

診察室で先生がニコニコして、私を待っていた。

「日下さん、おめでとうございます。10週ってとこかな。」

でも先生は私の何とも言えない顔を見て、顔を傾げる。

「あの元気なご主人が喜ぶんじゃないの?」

英輔はここでも行動の人で、真先の時はほとんどの検診は私と来て、入院中も毎日やって来た。

そのあまりの熱心さに、この病院では有名人になっていた。

「…どうしたの?ご主人のお子さんじゃないの?」
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