運命の出会いって信じますか?
そこにはとてもイケメンとは言えないけれど、何となく温かそうな人柄が透けて見えそうな大柄な男の人。
くっ、熊みたい…。
私の柏木さんに対する第一印象は、とっても失礼なものとなった。
柏木さんはお姉ちゃんにニッコリと笑うと、こちらへやって来た。
そして私の方を向いてぺこりと頭を下げて一瞬ためらったが、お姉ちゃんの横に座った。
その仕草は大きな体にそぐわず丁寧なもので、私は思わず微笑んだ。
「柏木正仁(まさひと)と言います。君が妹の華さんだね?」
ニッコリと笑うその笑顔は一瞬で私の気持ちを掴んだ。
お姉ちゃんに男を見る目があったんだ…。
ふっとそんな事を思った。
「こんなに条件の悪い姉で良かったんですか?柏木さんなら、とてもいいお相手が見つかると思いますよ。」
真っ先にそんな事を聞く私は、意地の悪い妹かもしれない。