恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「あのなあ、いつも言ってるけどさ」



じろり、とあたしの方へ視線を向けてきた晴希さん。


その表情はさっきと同様不機嫌そうなもので。



「俺は、玲夢といる方が安らげんの。隣にいねーと余計に落ち着かねーよ」


「……」


「疲れて帰ってきたときこそ、傍にいてほしいんだけどな」



最後はぼそりと呟くように溢した晴希さん。


その言葉に、静かに刻んでいた鼓動がどきどきと大きく速くなっていく。



「帰ったら、ちゃんと癒してくれよな」


「……」



こうやって晴希さんの心の中の想いに触れると、会社での噂も駅で見た光景も幻なんじゃないかと思ってしまう。


あれは本当に晴希さんだった?


なんて自分の目を疑いたくもなってしまう。
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