恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「違う違う」



けれど、悠亜さんの口から出たものは予想すらしていなかったもので。



「今年度営業部に新しく入った……ほら、なんてったっけ? えっと……あっ、そうそう! 石崎さんって人!」


「石崎さん?」



そんな人いたっけ?


思い出せなくて首を傾げる。



「もう! 玲夢ちゃんは呑気なんだから!」


「ごめんなさい」



悠亜さんがあまりにもぷんぷんしながら言うもんだから、つい謝ってしまった。



「その人、どんな人なの?」



しゅん、と肩を下げたあたしの代わりに紗羽さんが訊いてくれた。



「紗羽さん! よくぞ訊いてくれました!」



悠亜さんは嬉しそうに目を輝かせている。


けれど、次の言葉にあたしは思いきり眉を寄せてしまった。
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