恋の魔法と甘い罠Ⅱ
けれど、それを朔の前でできるわけがない。



「家に帰ってから一人酒してそのまま寝ることにするよ」


「ここで飲めばいいのに。俺ちゃんと送ってくよ? 送り狼にならねえよ?」


「わかってるよ」



朔はそんなことをする人ではないとわかっている。


それでも晴希さん以外の男の人の前で、絶対に潰れてはいけない。


前に酔い潰れて鷹山くんにアパートまで送ってもらったときに、それはひしひしと感じた。



「大事にしてんだな」


「え?」


「……いや、こっちのこと」


「……ふーん?」



朔が何のことを言っているのかわからなかったけれど、さっき見てしまった光景を少しでも忘れさせてくれるために、朔がこういう時間を作ってくれたことが本当に嬉しかった。
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