恋の魔法と甘い罠Ⅱ
辛そうにそう言う朔の表情も苦しそうに歪められていて。


今のあたしの心と同じように見えてしまう。



「あたしは、大丈夫だよ……」


「嘘つくなよ!」


「……」


「大丈夫に見えねーんだよ!」



あれだけ泣いて、寄りかからないと宣言したばかりの朔に思いっきり寄りかかって。


どこからどう見ても大丈夫には見えないよね。


でも今ここで“大丈夫じゃない”なんて言えるわけもなくて。



「ほら、食え」


「え」



突然あたしの目の前に差し出されたのは焼き鳥の串で。



「さっき吐いたばっかだから“飲め”とは言えねえだろ? だから食え」
< 275 / 491 >

この作品をシェア

pagetop