恋の魔法と甘い罠Ⅱ
雑でぶっきらぼうに思えるその仕草だけれど、その中には朔の優しさがちゃんと見えている。



「……ありがと」



そう言いながら串を手に取って口に運ぼうとしたけれど。



「ちょっ、何!?」


「俺が食わせてやるから口開けろよ」



あたしの手をひょいっと避けて、それを口許に差し出してきた。



「はあ!? やだよ!」



明らかに不機嫌な表情を浮かべながらその串から顔を背けたあたしを、朔はくすっと笑う。



「だーめ」



そして朔は逃げるあたしの口を追いかけて串を持ってきた。



「もう! 何なの!?」


「何で怒ってんだよ。パクって食えばいいだけじゃん?」



朔はきょとんとした顔をしながらそう言ってくる。
< 276 / 491 >

この作品をシェア

pagetop