恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「この間一泊の出張に行ったじゃない?」


「ああ、うん」


「あのとき、石崎さんも、一緒だったんだよね?」



あたしの言葉に、何で知っているんだと言わんばかりに大きく瞳を見開いた晴希さん。


けれどそれはすぐに細められて小さく息を吐く。



「本当は俺一人で行く予定だったんだよ。けどあいつが、強引についてきて……余計にややこしくなったんだ」


「そっか」



会社の前でタクシーに乗る前のふたりを見て、そんな感じだろうなとは思っていたけれど、やっぱりそうだったんだ。



「でね、その夜に……電話がかかってきたんだ」


「電話? 誰から?」



あたしが言いたいことが全くわからないのか、晴希さんは首を傾げる。
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