恋の魔法と甘い罠Ⅱ
ぶくぶくぶくと口までお湯に浸かる。


溜め息が水泡に変わるのをじっと見ながら、脳内から噂のことを追い出そうとする。


けれどそんなにすぐに出ていってはくれないもので。


うぅ、どうすれば忘れられるの?


噂を聞く前の自分に戻れたらいいのに。


そう思いながらざぶんと頭までお湯に浸かった。


何秒経ったのか。


そんなに経っていないと思うけれど、息苦しさを感じて顔を出そうとした瞬間、



「玲夢!」



という声と一緒に身体を引き上げられた。


息を止めていたせいで乱れた呼吸を繰り返すあたしを見て、晴希さんはかなり慌てながら心配そうな顔をしていて。



「大丈夫か!?」



そう言ってあたしの頬を両手で覆ってくる。
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