恋の魔法と甘い罠Ⅱ
真実
◇◇◇



「どうかな?」



フィッティングルームを出ると、そこには晴希さんがいて。


ウエディングドレスを纏ったあたしを上から下まで一通り見たあと、口許に手の甲を当てながらぱっと視線をそらした。



「晴希さん?」



また一歩近づいて顔を覗き込もうとすると、晴希さんは更に顔をそらす。



「ちょっ、やべえって」


「え、何が?」



訳がわからず首を傾げるあたしに、晴希さんは小さく息を吐いたあと、あたしの方へちらりと視線を戻してきた。



「やばいほど綺麗だ」


「え?」


「すっげー似合ってる」



あたしの瞳をじっと見つめながらそう言ってきたから、今度はあたしが恥ずかしくて視線をそらす。
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