恋の魔法と甘い罠Ⅱ
そんなあたしに今度は真っ直ぐな瞳を向けてきた晴希さん。



「何で泣いてたか、訊いていいか?」


「……」



それって、さっき涙が出てきてそのままお風呂に逃げちゃったからってこと?


けれど、もしここでまたさっきと同じことを言ったとして、嫌な顔をされてしまったら?


逆に、本当は会社でのことを話したくないのに、あたしが泣くほど聞きたがっているからと無理に教えてくれたとしたら?


どっちも嫌だ。


もう嫌な顔を見たくないし、無理して教えてくれても嬉しくない。


それにさっきの慌てた晴希さんを見ていたら、あたしが心配するようなことはないと信じられると思った。


もしお色気で迫られたりしても、晴希さんならちゃんと断ってくれる。
< 39 / 491 >

この作品をシェア

pagetop