Engage Blues





 父親から手ほどきを受けた鬼洞家の瞳術。
 それには敵の闘気や異常を感知する、第二の瞳がある。

 本来の目的は敵の弱点を知るために極められた技なのだろうが、一般人にも応用は可能だ。

 人間ならば、個人差はあるが闘気自体は持っている。血液のように身体を巡る、一種のエネルギーだと思えばいい。人によっては、それを『氣』とか『霊気』と言ったりするようだが。
 ただし、武闘家ではない人間だと食生活や習慣によって、闘気を有効活用できない場合が多い。

 よって、対象者の健康状態を知ることができる。


 梨花の場合、効率よく闘気を消費している方だ。
 姿勢を見ただけでわかる。背筋は真っ直ぐにのびているし、体幹のバランスがいい。
 足運びやちょっとした仕草でも、身体の動きに無駄がない。

 彼女の年代だと、外見だけに気を取られて内在する闘気の循環が滞っているタイプが多い。
 つまり、産まれ持った体質を維持できていないということ。

 声をかけてくる女性のほとんどが、そのタイプだった。やんわりと距離を置けば、同性の友人たちに「もったいない。おまえ、どっかおかしいんじゃないか」とぼやかれた。
 そっちの方がよくわからない。





< 139 / 141 >

この作品をシェア

pagetop