Engage Blues
彼女たちは健康的ではないし、自分の身体を労れていない。自己管理ができていない相手に何を思えばいいのだろう。
それだけに、梨花と初めて会った時が忘れられない。
『初めてまして!
凰上 梨花です。これからよろしくお願いします!』
満面の笑みで頭を下げる彼女の姿勢は、とてもきれいだった。
惰性ではない。
腰や背骨、筋肉などに負担をかける動きでもない。
身体中が己の意思でコントロールされている動きだった。
こんな女性は初めて見る。
当時は違和感を覚える程度の印象だったけれど。
あの時から、俺はとっくに落ちていたのだろう。
だからこそ、彼女の身体にはやや不安が残る。
代謝がよすぎるというか、元から省エネ体質になっているようだった。
今後のためにも、梨花にはもう少し体力をつけてもらいたい。
このままでは念願が叶ったとしても、難産になる可能性が高い。
もちろん、最大限のサポートをするつもりだ。
早い段階から不安要素は取り除くとして、他にできることと言えば。
(……タンパク質を中心にメニューを見直すか)
適度に重くなってきたまぶたを閉じる。
癖で、腕の中で眠る彼女を抱き直す。
髪を梳き、細い肩の肌を撫でながら。
意識を手放す寸前まで、高タンパクの献立を模索し続けた。