Engage Blues





「ま、待ってください! 返事をもらうまでは帰れませんッ」

「ちょっと! いかにも控え目な態度で同情を誘ってるけど、イエス以外の返答は受け取らないつもりでしょッ!?」

「当たり前ッスよ。このまま帰ったら、ふたりして過激な折檻されるだけッス」

「まず、その前にあんたたちの師範は人権を侵害してると認識するべきだッ!」

 自分の思い通りにならない結果になると弟子を責めるって、どんな暴君だ。
 受け入れるなんておかしな趣味でもあるのか勘ぐってしまう。
 というか、ここは日本だ。さっきから今の時代とは全く異なる文化で会話している気がする。

 彼らに流されてはいけない。
 できるだけ優しい口調で語りかける。


「あのね。現代日本は、憲法で基本的人権の尊重が保証されてるの。理不尽に虐げられることはあってはならないの。さぁ、怖がらないで。勇気を出して。あなたたちの権利を行使するの……」

 いい感じに話がまとまってきたところで、虎次郎がぽつりと突っ込む。





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