柚と柊の秘密








屋上に座って、俺は今までの経緯を優二に話した。



ギターが出来ないから柚と入れ替わったこと。

文化祭まで限定なこと。




それを話すと優二は納得してくれて。

仕方ないと言ってくれた。

優二は分かってくれると信じていた。

時々無神経だが、根はいい奴。

それに、柚のギターの腕にも納得しているようだから。

だから、優二のことは問題ない……と思ってしまった。






だけど……







「嬉しいなぁ、あたし、柊君と一緒にいれて」




問題はこいつだ。

里穂ちゃんは頬を染めて、俺の腕にぎゅっと抱きつく。





やべーよ、こんなところ、山形に見られたくない。

それに山形に知られたら、俺、変態扱いだ。





だけど里穂ちゃんは俺を変態扱いする以前に、俺といることに舞い上がっている様子。




「あたし、柊君をひとりじめだよ」




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