銀魂(恋愛)
第十話 心の鍵~思い出すあの瞬間~
10話 心の鍵~思い出すあの瞬間~
貴方side



貴「っ…ぐすっ…ひっく……っ……」



なんで…なんで…なんで!!




涙が止まってくれないのよ!!




もう…涙は流さないって決めたのに…


私が泣いたって…泣いたって……





銀「百合ーー!!!待てよ!!」




貴「なんで…追いかけてくるのっ…
私なんか…ほっといていいのにっ…!」



吹雪がだんだん強くなってきた。



視界がどんどん悪くなる。






容赦なく、体温を奪っていかれるような感じだ。








私は後ろを向くとどんどん銀時が近づいてきた。






あ、そうだった…私……









足遅いんだった……







気づくともう後ろに銀時が追いついていた。





銀「っ!!お前、前見ろ!!」




貴「え、きゃっ!!」

私は吹雪のせいで前が見えず、目の前が崖になっていた。



私は足を滑らせ、そのまま落ちてしまった。




銀「っ!!!」


















































銀「いてて……」



貴「っ……!!銀時……!」




私は銀時の上に乗っかり、抱きしめられていた。



貴「な、なんで私なんか庇って…」


私は状態を起こすと、今度は視界が反転し銀時に押し倒された。









銀「お前は馬鹿かっ!!!!」



貴「っ……」





銀「なんでこんな吹雪ん中、走り回るんだよ!
視界もこんなに悪いのに、しかも足場も悪い!


崖から落ちるに決まってるだろ!」




私は見たことない、銀時の怒る表情を見てまた涙が溢れ帰ってきた。




銀「っ……」



貴「ぐすっ……っ……ごめんなさい…」




銀「……すまねぇ…言い過ぎちまった…」




そう言うと銀時は私を抱きしめてきた。





お互いの体温を確かめるように、ずっと抱き合っていた。









ーーしばらくすると、吹雪はすっかりやみ太陽が出てきた。





近くに身を隠せそうなところがあったので、今はその中に入り、私は銀時の膝の上で抱きしめられていた。





貴「銀時……?」





銀「……お前が崖から落ちるとき……




思い出しちまったんだよ…




攘夷戦争の時、お前が自ら崖に落ちるのを……






また失うのが…怖かったんだ…









また、大切な人が俺の目の前から消えてくのが……








怖かったんだ…」
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