吸血鬼、頑張ります。



サザンクロスはそれから毎日、3人に吸血鬼とはなんたるかを教えた。


火葬が主流である昨今。
ほぼ、無敵に近い存在であるゾンビを誕生させた事が近史には無いので、説明は丁寧に行われた。

「本当にビックリです。中世ならまだしも、現代でゾンビを誕生させてしまうなんて」


主人である鉄観音と、半径三キロ以内において、痛覚を持たず、自己修復が可能な香織と沙織は、人間にとって脅威である。

主人に命じられた場合、ゾンビは裏切る事なく動く。

命令が完遂するまで、決して止めない。


弱点が在るとすれば、鉄観音を三キロ以上ゾンビから引き離す事だけである。


「これから創られるであろう不死身の虔属についてですが・・・」

サザンクロスは話して聞かせる。


「生身の生きている人間の血を、王が吸血した場合において不死身の虔属が誕生します」


吸血鬼の命とも言える牙は、死人は復活を。生きている人間には不死を与える。


その代わりに死人は絶対服従。生者は血を求め、自らの吸血した人の血を、自分を介して王に吸わせなければならなくなる。


因みに不死身属性の場合、定期的な吸血をさせる意外は自由に動ける。


ニンニクや、ロザリオ、木の杭や太陽。

人の血を吸う便宜上、かざされるなり見せられたりした場合は、血を吸わない契約に成っている。
東洋魔導師組合との鉄の掟で決められていた。


太陽とは、日が上っている間は活動をしないようにすると言う約束になっている。


「さあ、皆さんここまで理解できましたか?」



3人はうなづいた。

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