吸血鬼、頑張ります。



「なに?香織ちゃん」


鉄観音とサザンクロスは香織を見る。


「王様、執事様。お願いがあります」


真面目な顔で二人を見つめる香織。

香織は言う。


「沙織を学校へ通わせて頂けませんか」


一体何のお願いなのか内心ビックリしていた鉄観音。

ホッとして香織に聞く。

「あ、そう?良いんじゃないかな。学校くらい」


「ほ、本当ですか?」

香織の表情が輝く。


「うん。沙織ちゃんもまだ子供だし、友達と遊びたいだろうし」

鉄観音は答える。


「いや、ダメです。香織さん」


突然サザンクロスが言う。


「えっ!?何故ですか執事様」


香織は当惑してサザンクロスに聞く。


「沙織さんは成長しません。ほぼ、永久に小学生のままです」


鉄観音と香織は気が付いた。


「今までの記憶は受け継がれますが、新たに記憶を上書きする事は出来ません」


「そうだったね・・・」

鉄観音が呟く。


「しかし、執事様!沙織が余りにも不憫過ぎます・・・」

香織はサザンクロスに訴える。


「何かいい方法は無いものか・・・」

鉄観音は頭をひねっていた。

「・・・。王様、香織さん・・・。成長が止まっている以上、学校には行けません。かなりの不都合が生じます」


「それは、そうなんだろうけど・・・」

鉄観音は何か救済措置が無いか考えていた。



サザンクロスは呟く。

「強引な方法なら、在りますが・・・。お勧めは出来ませんが・・・」
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