その瞳をわたしに向けて
彼の想い
あれ? 誰だろ………

お茶出しに行っていた後、机に戻ると隣の立花と話をしている人物が美月の椅子に腰掛けていた

「あっ、ごめんごめん。ここ清宮ちゃんの席だったんだぁ」

清宮ちゃん…………?

にへらんと笑うと顔のパーツがくしゃりと目尻の皺と同化するような笑顔を向けられ思わずつられてこっちも笑顔で返すが


「よかったら座る?」

そのままの顔で自分の膝元をポンポンと叩く


「………………」

「堀内君、そう言う冗談やめなさい!!」

珍しく立花さんがマジメに怒った


…………なんだ?この人


「わざわざ直接来なくても、社内メールで良かったのに」

立花がパソコンの手を止めて、顔だけ堀内に向ける

「主賓にはちゃんと確認とっておかないと、今回は結構集まるからさ」


ああ………そうか、そういえば立花さんの同期たちで杉村常務との婚約を祝う飲み会があるって言ってたような………あれ、今日だったんだ。


話をしながら美月の席をあけてくれたので遠慮なく椅子に座る

そのまま美月の後ろで話を続ける堀内


「久しぶりに理沙ちゃんもくるって、遅くなるけど」

「理沙も、大坂から?!」

「週末だし、実家はこっちだろ。楽しみにしてたよ。って言っても理沙ちゃんの会いたいのは立花ちゃんだけじゃなくて、目的半分は松田なんだろうけどね」


あっ、そうか………同期っていえば松田さんも行くんだ

「元恋人同志、久々の再会ってやつだよな」
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