その瞳をわたしに向けて
抱き締める腕に少し力を入れた

「やせ我慢したってカッコ良くないし、まあ少なくとも私は松田さんがカッコイイとか思ったことないですけど………」


「………何なんだお前は」

美月の腕を退かすため、腕を掴んで頭を持ち上げたら、解放できた美月の両手で頭をガシッと鷲掴みされ、正面で顔を突き付けられた


「なんで俺じゃないんだって……なんで杉村常務なんだって、ちゃんと言えばいいじゃん………『納得いかないっ』て」


「なっ…………」


一瞬力の抜けた松田の頭をまた抱え込んで、その大きくて手の届かない背中をポンポンと、前に松田にされたように叩いた


「まっ……今さらそんな事、どうせ立花さんに言える訳ないですよね、松田さんってなんかプライド高そうだし………」

小さく溜め息をつきながらそう言うと、微かに松田の肩がピクッと動いた

「……………」
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