その瞳をわたしに向けて
アイスコーヒーを飲みながら、松田のその優しい目に気がついた


「あいつの営業は優しいんだ。甘いんだけど、数字的には的確で相手の要望をなるべく聞こうとするから時間が掛かるし…………
他には出来ない信用もつけてくる…………」


「松田さんは、立花さんにも厳しかったって聞きましたけど……」

フッと何かを思い出したように鼻で笑った


「ああっ男ばっかりの職場だからな、スカート穿いてくるなとか、化粧は薄くしろとか、高いヒール履いてくるなとか、あいつには必要ないと思ってたしな」

「ひどっ………」

松田さんが原因だったのか、あの飾りっ気がないのって


「そしたらあいつ……………髪切ってきやがった」

松田が伏し目がちに言った

「……………」

「あんな女初めて見た、正直馬鹿だよなぁ」



松田の表情に、少しだけ美月は黙って下を向いた


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