その瞳をわたしに向けて

一口アイスコーヒーを口にして、松田は深い溜め息をついた

「俺、どうかしてたな…………悪かった、酔ってたが言い訳にはならないよなぁ」

頬杖をついて、頭をテーブルに擦り付ける勢いのその素直な謝罪を受け入れた


「確かに大変でしたけど、松田さんの様子が変なのは分かってましたから。」

「…………」

そのせいなのか不思議に、前に松田を昔のストーカーと間違えた時のような恐怖感は無かった

「どうせ、立花さんとも飲み会で話さなかったんじゃないんですか?」

「…………先に帰ることは謝った。常務も一緒だったし」

杉村常務はたぶん松田さんの気持ち知ってるよね、気づかなかったのは立花さん本人だけか………


「…………立花って、あいつ入社当時は本当に頭でっかちだったんだよなぁ」

ふぃに松田が話し始めた

「国立大学卒で知識ばっかり、他人との接し方も下手でな、およそ営業には向かないって正直初めは見ててイライラしてた。
同じ部署じゃなきゃどうとも思わなかっただろうな」

「へぇ………」

今の立花さんから想像できない…………

「挙げ句の果てに打ち合わせ先から女だって馬鹿にされて、いつ根を上げるかと思ったのに、食い下がってたよなぁ」

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