その瞳をわたしに向けて

自分の心さえ分からない

「遅いね、美月ちゃん。話し込んでるのかな?」

他にまだ何か言いたい事がありそうな美鈴を遮るように、松田は美月の鞄を手に取った。


「美鈴さん、お愛想うお願いします。あいつ外だから、そのまま帰ります。」

二人分の支払いを済ませる


「また、二人できてね」

「はい、ご馳走さまでした。また来ます」


松田のその一言で、少しホッとした美鈴



店を出るとまだ出入り口に背を向けて電話をしている美月がいた


「ん…………分かってる。じゃあ火曜日に」


話も終盤なのか、振り返って戻ろうとした。

「わっぶっ…………!?」


出くわした松田とぶつかった。

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