その瞳をわたしに向けて
松田のその低音の声にゾクッと鳥肌がたった
もう、その後二人が何を話しているのか、松田の声が低すぎて聞き取れない
ただ…………何を話していても、今松田の視界の中にいる彼女に対し、言い様のない嫉妬心を押さえられない。
変だ、私…………
顔を伏せ後ずさる
「ってぇ!!」
えっ………あ!?
後ろに一歩下がったとこで、後ろにいた堀内の足をヒールのかかとで踏みつけた
「ごめっ…………わっ!」
バランスを崩して、二人して倒れ込んだ。
「何やってんだ、こんなとこで…………」
松田と、その後ろから顔をだす石原真由美が棚のかげにいた美月たちを、不機嫌に見下ろす
「…………悪いな、邪魔しちゃった?清宮ちゃんがお前に会いたがってたから」
ニコニコと松田を見上げてそう言う
足を踏みつけて咄嗟に向きを変えて倒れ込んだから、堀内の胸の中にスッポリ収まっていた。美月の身体を支えるように腰に手を回している堀内
「ちがっ、あのっ山崎主任が…………っ」
すぐその体勢から離れようとしてじたばたしてるうちに、松田に腕を掴まれ引っ張り上げられた。
「いたっ…………」
「堀内、お前いい加減にしろよ」