その瞳をわたしに向けて
想いの重なった朝



瞼が重い……………




カーテン間から朝のひとすじの光が顔にかかって眩しい

何か部屋がいつもより明るいし

寝返りして仰向けになってみる


「はぁれ?何か天井が低い……………」


「悪かったな低くて」


「!?」


すぐ耳元で低い声がして顔を向けると、そこに上半身はだか、スウェットパンツで肘をつきこちらに身体を向けて見下げる松田がいた。


「なっ……なっ……」

思わず頭を上げて後ずさると、すぐ後ろのベッド縁から墜ちそうになった。

「わっ…!!」


「っておいっ!………っあっぶねぇ」


よろけた美月を咄嗟に抱き寄せる
ナイスキャッチって、ちょっと……!


普段の煙草の匂いはしない代わりにシャンプーかボディーソープの香りに、男の人の匂いが混ざって
眼鏡をかけていない松田、それに以外と筋肉質な身体

抱き寄せられてその体温が直接伝わってくる。

はぁっ………と頭の上で大きな溜め息をつかれ、ポンポンと指で撫でられる

「どうせ、なにも覚えてないんだろ……」


呆れた様な声が落ちてくる。


「あっ……あのぉ……」


昨日………昨日………どうしたんだっけ…………?
確か金曜日で…………あれっ松田さんいたっけ?

「さっ佐伯さん…………と確か」


佐伯さんと飲みに行ってたはずなんだけど

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