その瞳をわたしに向けて
智也君ともすっかり仲良くなって、遊びながら晩御飯の用意も手伝っている内に杉村常務が帰ってきた。

「よく来たね。ゆっくりしてくといいよ。」

相変わらずの柔らかい笑顔が智也君の前でさらにデレデレになっていた。

食事を始めると、暫くして智也君が眠ってしまって、寝かしつけに春香が席を外した。

「２課の皆さんは元気ですか？結婚式の時の事はいろいろ聞いたんですが」


「ああ、みんな仲良くやってるよ。清宮さんの後、総務から移動してパソコンスペシャリストの子が２課に入ってね、春香の分まで頑張ってるんだよ。」

「…………それは、かえって落ち込みます。」


「君がいなくなって、松田も移動して、春香も仕事を辞めてしまったからね、実は少し寂しくなってしまっているけどね。」


春香さんは、仕事を辞めても自分が独り占めしてるじゃん………


「…………松田さんは、まだロサンゼルスですか？」

思いきって聞いた

「ああっ、松田と言えば…………」



「結婚するのよね。」


常務が言いかけた言葉を、寝かしつけに行っていた春香がリビングに帰ってきて、口を挟んだ。




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