キミに出会うまで
異動
旅行から帰って、ゴールデンウィークもあけて。


また、日常が始まってゆく。


新システムも稼働して、最初の数日は問い合わせもあったけど、落ち着いたみたい。


優樹が本社を離れる日まで、カウントダウンが始まっているようで、なんとなく落ち着かない。



優樹が異動したあととのギャップを減らそうと、極力接触を避けようと思ったけど、無意識に目で追ってしまっている。



いつものメンバーの、明日香先輩とひとみちゃんと一緒にパスタランチ食べてても、優樹のことを考えてボーッとしてるみたいで。


「ゆう、重症だね」


「え、何がですか?」


「森さんのことしか見えてないってこと」


「そんなことないですよ」


「じゃあ優花先輩、いま何の話してたかわかります?」


「え、パスタの話でしょ」


「違いますよー、私がゴールデンウィークに彼氏と行った台湾の話ですって」


「あっ、ごめんね、聞いてなくて」


「いいんですよ、いま優花先輩は森さんのことしか考えられないですもんね」


「そんなことないんだけど・・・」


「けど?」


「今まで、ほぼ毎日一緒にいたから、なんか不安で」


「なに言ってんの、沖縄でいろいろ確認してきたくせに」


「そうですよ、森さんに限って、浮気とかあり得ないですよ」


「それはそうなんだけど、ね」


「ま、ゆうの気持ちはわからないでもないけどさ、異動した後はさみしいけど、だんだん慣れていくと思うよ」




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