キミに出会うまで
後悔
10月は、ほぼ森さんのフォローにまわって、忙しかった。


でも、それ以上に忙しかったのは、森さんだ。


私より先に帰るのをみたことないし、最近は体調も良くなさそうだった。



そして、ある金曜日の朝。


出勤した私をつかまえて、


「森さん、高熱で休むって」


と、明日香先輩が教えてくれた。


「そうですか、わかりました」


席につこうとする私を、ひとみちゃんが引き留めた。


「先輩、森さんち行ったことありますよね?」


「うん、あるけど」


酔っ払って介抱されたし、彼女のフリしてご両親とお茶したから、覚えてるけど。


「お見舞い行かないとですよ」


「そうだよ、いろいろお世話になってるんでしょ?


一人暮らしだし、何かと大変だし」


「でも、なんで私が?」


「森さんと一番仲が良いのは、優花先輩ですもん」


「そうそう、気づいてないかもしれないけど、森さんとふたりで飲みに行ってるの、ゆうだけだよ」


そうだったんだ。


「いろいろ持っていってあげなよ。


ゆうの顔みたら、元気になるかも」


「そんなことないと思いますけど、一応行ってきます」






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