ナニカ 〜生んで、逃げて、殺される物語〜
敬太の一大事なのに、なんで出ないのよ‼︎
まさか本当に、シメられちゃえばいいいとでも思ってるの⁉︎
この……薄情者が‼︎
仲間外れにされたショックよりも、今は圧倒的に怒りの感情が上回っていた。
スマホが無理なら、自宅の電話に掛けてやる!
そう思って梨沙の家の電話を鳴らすと、すぐに梨沙のお母さんが出た。
「あら、霞ちゃん」と、優しい声で受け答えをしてくれる梨沙のお母さんに、私は大声で訴えた。
「梨沙を出してください!敬太が大変なんです!
もう友達じゃなくても仲間外れにしてもいいから、教えてよ!
先輩たちは敬太をどこに呼び出したの?
言わないと、梨沙のこと絶対に許さないんだから‼︎」
「え?え?」と、梨沙のお母さんは電話口でオロオロしている。
「霞ちゃん落ち着いて……」
そう言われた後に、
「ちょっと、家に電話とかやめてくれる?」
と、怒ったような梨沙の声がした。