十八歳の花嫁

第3話 独占

第3話 独占





弘明は立場的に言っても、藤臣の社長就任を支持しているグループに属する。


「これで他の重役連中もホッと一息だな。いやあ、本当によかったよかった」

「ええ、これで督促状のように届く釣書きから、ようやく解放されますよ」


養父の言葉に藤臣も合わせて笑った。


「まあ、驚いた。藤臣さんにもそんな笑顔ができるのね。十五年も一緒に暮らしていたのに、初めて見たような気がするわ」


ビックリした顔で佐和子が声を上げる。隣では弘明も「本当だ」とうなずいていた。


「やあ、ホントに藤臣くんをゲットしたんだな。やるじゃないか。どうだい? 暴れ馬を乗りこなした感想は?」


そう言って現れたのは大川暁だ。

藤臣は心の中で警報を鳴らした。
使い方しだいで、毒にも薬にもなる男だ。信一郎の母・加奈子に入れ知恵しているのはこの男に違いない。

だが、愛実は見知った顔に出会えて嬉しいらしい。


「あの……大川さんのことは何とお呼びしたらいいんですか?」

「そりゃあ、お兄様って呼んでくれたら最高だけどね。っと、冗談冗談。藤臣くんに病院送りにされそうだ」

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