十八歳の花嫁

「どうせ、あなたには遊ぶ相手がたくさんいるんでしょうけど……。まさか、金目当てにあんな女子高生にまで手を出してないでしょうねっ」

「俺が手を出してどうするよ。金にはならんだろうが」


暁の声は普段よりトーンが落ちている。
それが彼本来の姿だ。


「だって若い子が好きなんでしょ? あなたが初めてあたしに手を出したとき、まだ十六だったのよ」

「あんときゃ、俺も大学生だっただろうが」


深い関係の男女の間でのみ通じる、クスクス笑いが広がった。


その間も、朋美は暁のネクタイを緩めボタンを外し始める。


「おいおい、脱がすなよ。こんなとこでこれ以上できるかよ」

「だいじょーぶ、入り口の鍵はかけたから。それと……あなたの言葉が本気かどうか、下半身に聞いてみましょうか?」


朋美はフフッと笑いながら、洗面台の前に敷かれた赤い絨毯の上にひざまずいた。

暁のスラックスのジッパーを下ろし、その奥を手で探り、まだ“本気”になっていないソレを取り出したのだった。

朋美は剥がれかけた口紅で、暁の下半身を赤く塗っていく。

しばらくして暁は降参したかのように、


「ああ、わかった、わかった。でも、ゴム持ってんのか?」


朋美は口を離し、「ないわ。平気よ……そのまま来て」自ら下着を下ろして片足から外しながら答えた。

暁は立ち上がった朋美の腰を掴むと、洗面台の上に座らせ――。

ふたりは忙しなく身体を重ねた。


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