十八歳の花嫁

第4話 警察

第4話 警察





「警察だ。そのまま動く……な」


制服警官二名と、私服警官四名が部屋に飛び込んできた。内、私服の一名は女性だ。おそらくは少年課の婦警であろう。

彼らは時間を見計らい、行為の最中を想定していたらしい。
しかし予想に反して、中のふたりは服を着たままだ。テーブルを挟み、小さなソファに向かい合って腰かけている。


「なんだ君たちは! 例え警察といえど、許可もなしに客室に立ち入るのは不法侵入だ!」


美馬の怒声に愛実は身を竦めた。


愛実は後で知ったことだが……。

彼女が立っていた場所は、友人らが数ヶ月客引きに使い続けてきたポイントだった。
警察の動きに気づき、愛実の友人はお金に困っていそうな彼女に話をしたのだ。ようするに、スケープゴートである。
そんな場所に愛実は三日も立ち続けた。警察に目をつけられて当然だろう。

しかも――

『女子高生に声をかけられた。其の女子高生は、たった今、他の男とホテルに入った』

――そんな通報があっては、警察にすれば渡りに船だ。


「許可も何も……往生際の悪い奴だな。この娘は、何日もそこの駅前に立って客引きをしてたんだよ。おまえさんがそこで声をかけて、ここに連れ込んだ所もちゃんと見てるんだ。服を脱いでないからセーフだと思うなよ」

「さあ、あなたはこっちに来て。高校生よね? 何年生? 歳はいくつ?」


婦人警官が愛実の両肩を抱き、立たそうとした。


「あ、あの、わたし……」

「彼女は十八だ」

「そりゃあそうだな。年齢くらい確認してるか。だが、本当だとは限らないぞ。すぐに確認を取って、十八歳未満の場合は児童買春容疑で現行犯逮捕させてもらうからな」

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