【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
と、その時すぐ後ろのドアが、誰かによって開けられた。
「なんだよ、さっき……」
その人が声を上げるのさえも遮って、私は息つく間もなくその人に抱きついた。
ごごごごごごゴキブリーっ!!!!
雷とテストと迷子の次に苦手なゴキブリが、見ただけでも失神してしまいそうな勢いで嫌いなゴキブリが、なんで私の「…離れろ」
……ん?
頭上から降ってきた怒りでふつふつなその声に、私の危機察知装置が再び警報を鳴らす。
も、もしかして……
「早く退けっつってんだよ」
顔を上げると、予想通りそこには黒いオーラ出しまくりの綾世の顔があって。
「ひ、ひぃっ…!」
慌てて綾世から飛び退く。
私ってば、綾世に抱きついちゃった…!!