隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~
「今日朝から変だったよね、ふたりとも」
「そ、そんなことないと思うけど」
「いつもと違ったよ。一煌は全然琴ちゃんのこと構わなかったし」
なんでこういう時だけ勘が鋭いの?
いつも一煌が一聖は鈍感だって言ってるけど、本当は違うんじゃ……。
「何かあったの?」
「え゛っ、いや~、あの……」
一聖のことについて話してた、なんて言えるわけがない。
そのことで口喧嘩したっていうことも。
「いつものくだらないことで口喧嘩しただけで」
いい言い訳が思いつかない。
「そっか。それならいいんだ。
また一煌がいじめたんじゃないかってちょっと心配だったから」
いつものように優しく笑いかけてくれる一聖に複雑な気持ちでいっぱいだった。