彼が嘘をついた
「遥はどうする?
俺がちゃんと説明しないで連れて来たから、暑いし、1人で待つのがイヤだったら、先に帰ってもいいよ」
隼人くんが私にそう言ってくれる。

でも私は、
「大丈夫、待ってるよ。飲み物あるし、あっちの日陰で見てるから。
…2人こそ、熱中症にならないように、気をつけてね。
私、時間を見て休憩するように言うから、ちゃんと水分も摂ってね」

そう言って、木陰になっているベンチに座って、バックから帽子を出して被った。
…ちょうどバスケゴールも見えるから、2人の練習している姿も良く見えそうだ。

そんな私の姿に安心したのか、2人は練習を開始した。

2人は、同じくらいのレベルなのだろう。
パスも、シュートも、ドリブルも、フォームが綺麗だし正確だ。
…ヒロくんは、県の選抜メンバーに選ばれたことがあるくらいだから、隼人くんのレベルもかなり高いのだろう。
入社してから、毎年バスケ大会の応援に行っていたけど、それだけヒロくんのことしか見ていなかったと言うことだろう。
…なんか、隼人くんに申し訳ない。

練習は、20分やって10分休憩を4回繰り返して、時刻は3時を過ぎた。
2人とも、Tシャツもハーフパンツも汗が凄い。

「今日は終わりにしよう!」

そう言うと2人はTシャツを脱いで、頭から水をかぶる。
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