彼が嘘をついた
途中で止まることなく、エレベーターはまっすぐ最上階を目指した。

エレベーターから降りると、また彼の後について歩き出す。
彼は"2308"号室の前で止まり、
「ここが俺の部屋、…だったところ」
と言って、ドアを開けた。
中にはヒロくんと真由子が寛いでいた。

「隼人も遥もお疲れ様。
ダンボール、そこに置いていいよ。
まだまだ荷物あるから、アイスティー飲んで、ちょっと休憩してから続きをやろう!」

真由子はそう言って、私と五十嵐くんにアイスティーの入ったグラスを渡してくれた。

…この引っ越し、やたらと真由子が仕切るなぁ…
そんなことを思ったけど、口には出さない。

みんながアイスティーを飲み干したところで、
「じゃあ、荷物を運ぶか。台車借りてるから、それを使おう!」

車から台車にダンボールを積むのは五十嵐くん。
台車で運んで部屋の前に降ろすのがヒロくん。
それを部屋の中に入れるのが私と真由子。
そんな役割で作業を開始した。

まずはヒロくんと五十嵐くんが台車に荷物を積みに行く。

真由子はグラスを洗い始める。

私は部屋の中を見渡した。
広いLDKに、部屋が2つ。
トイレとバスルーム。
1人暮らしには広すぎるような気がする…。



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