オトナチック
いや、それよりも私の聞き間違いじゃなかったら大きな声ではっきりと言ったような気がする。

“婚約者”と言う言葉をこの場ではっきりと聞いたような気がする。

私と杉下くんが偽りだとは言え、婚約者と言う関係なのはここでは秘密だったよね?

その関係を演じるのは、杉下くんのおばあさんの前で充分だったはずだよね?

「はっ…?」

新一は訳がわからないと言う顔をしている。

「郵便受けに髪の毛を入れて、ポストの中にカミソリやハトの死骸を入れて、窓ガラスに生卵をぶつける――逆恨みもいいところだな。

俺が婚約者に受けた嫌がらせを知らないと思ってたか?

挙げ句の果てには刃物を持って会社へ押し掛けて、この騒動だ。

ストーカー行為もいい加減にしろよ?」

杉下くんは新一の前へと歩み寄ると、新一をにらみつけた。
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