オトナチック
眼鏡越しの瞳が戸惑っている私を見つめている。

杉下くんが唇を開いた。

「――俺と結婚を前提につきあって欲しい」

「えっ…?」

一瞬、杉下くんが何を言ったのか理解できなかった。

私の都合のいい聞き間違いなのではないかと思った。

「告白の返事」

そう思っていたら、杉下くんが言った。

「告白?」

その意味がよくわからなくて聞き返したら、
「ずっと前に、俺が好きだって言って告白してきただろ?」

そう答えた杉下くんに、私は思い出した。

「あ、ああ…」

状況が落ち着いたら返事を聞こうと思っていたのに、すっかり忘れてしまっていた。

何をしているんだ、私は…。
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